少し前のこと。
何十年もの間 行きたいと思っていたライヴに
とうとう行くことができました。
まだ寒い頃のことで
半袖の分厚いニットを着ていった
そして一人で何時間もJRに乗って 出かけていきました
彼はむかしと変わってない
と 思うのは 幻想で
私の知らない作品もたくさん演ったし
知っているものも
今では
殆どオケ といっていいような立派なバンドが後ろにいて
最初のレーベルや
海賊版の収録のような
アコースティックな音ばかり 覚えていて思い返していた私には
すこし なじまないのもありました
それでも
おなじ声で
同じ 話し方で
おなじしぐさで ギターを弾く彼をみていると
腕を振り上げプッシュしながら
いつもこの人のうたをうたってきた と思った
ながいながい間
そうしてきた と 思った
包み込む大音響の中で
ステージへとのし上がってゆく歓声の中で
泣かないライヴは無い
そしてひとりで 何時間もJRにのってかえってきました。
次の日からまた あたらしい 少し年をとった笑顔をおもいだして
おなじ事を重ねてゆく