夜明けまえには指先が硬くなるくらい涼しくなりました。
夕暮れも凄みこそ無いものの
ほのかに蒼くなったような。
激しい残照はもう見られませんね。
瀬戸内海を丘から見下ろすと
既に海は寂しい色をしています。
京阪沿線から 淀川河川を見渡すと
風が 岸辺の草を揺らしているでしょう。
うっすら ベージュ色が混ざるのです。
鈍色の川面に
ややおとなになった 水鳥の子供が
それでも 親鳥の跡を追って軌跡を描いているでしょう。
あの国の湖沼地帯の一角では
リスの親子がしきりに クルミの樹を上り下りしているでしょう。
寒い程の秋風に産毛を光らせながら。
生きている事への全ての感情を越えて
生きている自分の今を誇れ
これまでの人生と これからの人生に
乾杯