久しぶりにお逢いしたのは連絡フェリーのデッキ。すっかり白いお髭が向かい風で首の後ろへ靡いていた。
学校から帰るフェリーのデッキ。(お元気でしたか 島の外の学校に行っているのですね)と敬語で声かけてくださった。
(今度 御宅へ写真を持って行きます。こないだ撮ったのです。)と おっしゃった。
(花の写真です。)と おっしゃった。
花の写真に魅了された。その方にも魅了された。
島の外の生活が日常になっても
その方へなら このことをどういう風に伝えるかなぁ
こんなふうにやってみようとおもうけど いつもの静かな笑顔できいてくださればいいなぁ。
など
困りごとがあったりして自分で考えてゆくときにときどきそうおもう。
花の写真家ではないその方は 花がそこに咲くまるごとを そのまま写して
その写真をくださった。
トゲトゲの容姿で咲いている。 薄そうな、とてもおおきな花弁が風に揺れている。
石ころばかりのところで一株。雌しべと雄しべを太陽に晒して。
花のいろ は ミヨゾティ
それも
花弁のいろが鮮烈なみずみずしい部分と 抜け落ちそうな部分があることが
今もおもいだされる御写真でした。
色の名前が そうであることは すっかり大人になってから知りました。