彼女は 杖を コツコツ いわせて
まるで 軽いステップで踊るようにして
歩いていた。
彼女は 片方の耳に
あかるい金色の 大きなリングのイアリングをしていた。
おなじようにあかるい アッシュゴールドに染めた 片方だけ長い髪を
焦げ茶色の編み込みに 同じ色の皮ベルトの
熟れたハットから覗かせていた。
ジンセイ て
ながいね。
て にかっ。と笑った。
すっかり滑らかになっている杖の持ち手を
ゆるり 弄びながら。
'14/05/14 on ROAD88.
何時間か待って コミュニティバスをのり継いで 山のむこうの 谷の向こう側の山肌の集落へ
それから 彼女は
帰って行った
と おもう。